MIGAKI Kei ミガキケイ

ウ・ル・ト・ラ・ポ・ッ・プ

昨年リリースされて聴いたときは「イイネっ」くらいにしか思わなかったThe ArmedのUltrapop。
Apple Musicが「貴様のフェイバリット」として推してきたのでしばらくぶりに聴いてみたら、チョー良い。
良すぎでしょコレ。
馬鹿っぽい『ウルトラポップ』というタイトルも、彼らのステートメント/アティテュードとして受けとめてみると泣けてきます。
「馬鹿ダナー」とか思われることをきちんと引き受ける覚悟があります。
しかし彼らのサイトを覗いてみると、サイトタイトルに「WORLD’S GREATEST BAND」とか書いてあって、実は本当にマジ馬鹿であるという可能性も勿論ありますが、だとしたって最高に格好良いことに変わりはありません。
しかもメンバーは総勢8人。
完全に無駄。
その筋肉も完全に無駄。
しかしその顔ぶれを眺めているだけで彼らがもはやビートルズを超えた存在だということが証明されています。
とか不用意に書くと、ここはインターネッツの世界。
ビートルズの熱狂的ファンのどこかの誰かがやってきて顔面に卵を投げつけられるかもしれません。
そういった事態を回避するために付け加えておくと、そりゃ僕だってビートルズが最強のバンドだということくらいは知っていますが、でももうこの世にはいないわけで、いないバンドと、この現代に良いものを作り届けているバンドを今この瞬間に比較したら、そりゃ今のバンドの方が超えていて、彼らがもしあっさりと消え失せてしまえばその瞬間にビートルズ以下の存在として忘れさられるという、ただそれだけの話しなわけで、そういったわけでビートルズを超えた存在は無数に存在し、同時に存在していないとも言えるわけです。
だから卵は投げずに持ち帰り、目玉焼きなどにして食していただきたいと思います。
…予防線を張るってのは本当にめんどくさいものですね。
なんてメンドーな時代。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、とか昭和生まれの人間は反町隆史を反射的に思い起こしてしまうわけですが、今に比べればあの頃はむしろ超言えてたので、やっぱり反町隆史は間違ってたと思ったり思わなかったり。
ポイズン。
そんなわけでThe Armedの面々は、たとえグラミー賞候補となり壇上からコメディアンに自分のパートナーを侮辱されるようなジョークを言われても、ウィル・スミスのように決してビンタなぞすることはないでしょう。
ショーン・ペンのように、ゼレンスキーのスピーチがないといってボイコットを呼びかけることも、フェイクニュースを垂れ流すポッドキャストが野放しやんけ、とプラットフォームから楽曲を引き上げるニール・ヤングのようなこともしないはず。
エビデンスはありません。
ちなみに僕はウィル・スミスもショーン・ペンもニール・ヤングも、決して熱心なファンとは言えないけれど優れた表現者としてずっと好きだし、こういうことがあったからといって嫌いになることも彼らの作品をボイコットすることもなく、ただ単にその件はその件としてナシと思う派です。
しかしプーチンのような存在はまた別で、これについては簡単に言葉にすることはできません。
話がポイズンな方向になってきてしまったので、The Armedの動画を貼って、そしてこれを正座して鑑賞し、筋トレをして眠ろうと思います。
それでは皆さん、良い夢を。

Category : ブログ
2022.03.30 Wed

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